あなたの未来を守るライフスタイル情報誌乳酸菌PRESS2017
NO.
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「予防歯科」名医を訪ねる

「一生、ご自分の歯で過ごしていただくために」

三郷予防歯科センター あすなろ・デンタルケア 金谷宏樹院長インタビュー

埼玉県三郷市の複合商業施設の一角で、2004年より開院されている予防歯科センター・あすなろ・デンタルケア様。お子様と一緒に来院されるお母さんが多く、やさしい雰囲気で日々患者さんを迎えています。理想の歯科医療を追求し、新たなことに挑戦し続ける金谷院長にインタビューさせていただきました。

金谷院長(写真左)とスタッフの皆様


クリニック開設の経緯について教えてください

平成8年に大学を卒業し、歯科医になりました。 その後、神奈川県の大手歯科医院に就職しました。しかし理想とはかけ離れ、1日150〜 160 人という数の患者さんを「こなす」という、「人数追求型」的な環境に大きな違和感を感じました。 また、それによって「破壊」され続ける患者さんの口腔内に疑問を感じ、このままではいけないと、既存の歯の機能性をより高める矯正治療を専門的に学ぶため大学の矯正科に改めて再入学し、2年間とその後、指導医の元で およそ3年間研修し矯正治療の基礎と臨床を学びました。 矯正の専門医として独立するか、それとも総合的に家庭医として独立するか迷っている時に出会ったのが予防歯科医として世界的に著名な熊谷崇先生の臨床内容を連載した専門書でした。 山形の熊谷先生の医院で行われた講習会に参加し、目から鱗がおちました。「歯科医の目指す真のゴールがやっと見えた瞬間」でした。 その目的を達成するための体系化されたシステムを徹底的に学び、平成17年に三郷予防歯科センターとしてあすなろ・デンタルケアを開院しました。 「真の患者利益を提供する」を理念に自信を持って 歯科医療の理想形をご提供します。

どのような患者さんがいらっしゃいますか

構成比として多いのが、お子様(3歳〜13歳ぐらい)がいらっしゃるお母さんですね。お母さんに正しい知識をご説明して、親子で診察を受けていただいております。その他、ご年配の方々、夕方以降はサラリーマンの方々も来院されます。高校生や大学生が少ないというのが、色々な意味で心配ですね。

とても明るい雰囲気の待合室

患者さんに対して「なぜ、定期的なメインテナンスが必要なのか?」をどのようにご説明されていますか?また、患者さんの反応はいかがでしょうか?

むし歯や歯周病はそもそも「バイオフィルム」による感染症で、大変ゆっくり進行する慢性疾患です。更に生活習慣病でもあるため、進行スピードが患者さんによって皆異なり、顕著な痛みや自覚症状などが出た後ですと「大幅な修復治療」が必要になってしまい、二度と元に戻る事はないどころか、最悪の場合はそれがもとで歯が抜けて無くなるかもしれません。このようなことにならない為に効果的なのが「予防歯科」です。患者さんにご自身の口腔内環境の状態や、ご自身のペースを正確に知っていただくことを大切にしています。


まだ広くは知られていませんが、「口腔疾患と全身疾患の相関関係」についても大切ですよね

単に相関関係をお話しても、難しいお話になってしまいますので、患者さんとお話させていただく中で、「持病」があるかどうかをお聞きしています。持病をお持ちである患者さんには、とても大切なお話になりますね。例えば、最近よく取り上げられるメタボリックシンドロームは、放置した成れの果てが重篤な死因に繋がる病気となります。この最初のきっかけは生活習慣の乱れからはじまります。これを川に例えると、悪しき生活習慣の末に河口が汚染された状態といえます。口腔の役割りや健康状態は川のかなり上流に位置しているため、ここが汚染されるとその先の全身的な問題も起こしやすくなるのです。なぜなら、「噛めなくなる」事で食生活が乱れやすくなるからです。他にも様々なリスクが発生しますが、そもそも「口腔内と体全体の健康に関して、関係がないわけがない」というのが結論です。口腔内だけではなく「健康寿命」をいかに伸ばしていくのかが大切ですね。


メインテナンスルームは全室個室

衛生士さんや他スタッフの方々との連携で、大切にしていることを教えてください

あすなろ・デンタルケアの「存在意義」の共有を大切にしています。大きく言えば日本の歯科医療を変えて、新しい価値を創造することです。予防メンテナンスの価値を多くの方々に正確にお伝えすべく、「(よく)しゃべる先生、医院」を心がけています。


乳酸菌LS1のお客様や市民の方々へ、予防に関するアドバイスをお願いします

まずは「正しい知識を持つ」ということが大切だと思います。その知識を「行動」へと変えていただくことこそが、健康寿命を伸ばせる近道です。自覚症状が無く、生活にも支障がない状態の時は「今は大丈夫」と思うものです。私たちは「ネガティブヘルス」と呼んでいます。そうではなく、「体に異常がないようにするために、時間や対価を払う」という考え方を「ポジティブヘルス」と呼んでいます。私たちは今後も来院された方々に知られていないことを正確にお伝えしながら、皆様のヘルスリテラシーのお手伝いをさせていただきたいと思います。

7/11クリニック内で実施した乳酸菌LS1の説明会

profile

院長 金谷宏樹

昭和46年7月31日生まれ
東京都世田谷区出身
平成8年3月松本歯科大学卒業
一般開業医、神奈川歯科大学矯正科研修医を経て平成3年熊谷崇先生主催のオーラルフィジシャン育成セミナー受講をきっかけに予防歯科医療に目覚め平成4年埼玉県三郷に予防歯科センターあすなろ・デンタルケアを開院。